校章について
校章「若杉」について
杉は多数植栽されて美林を形成し、直幹天を摩す大木となり、その材は広き用途をもつ良材である。その枝葉素朴にして花美ならずと雖も万樹を凌ぐ価値をその内に存す。
若杉の校章は本校に学ぶ生徒の大成を期待するものである。杉の如く侈ることなく、互いに協調しつつ真直に成長を続け、将来天下の人材として社会に貢献すべき意を含むものである。
(平福百穂先生図案)
略章「駒草」について
本校から朝夕臨まれる秋田駒ヶ岳、その駒ヶ岳の数多い高山植物の中の「駒草」の、風雪に耐えしのぶ強さと、そこから生まれる美しさを図案化したものである。
(図案:角館南高校旧職員 小林和也)
校歌「若杉」
島木 赤彦 作詞
齋藤 茂吉 補作
小松 耕輔 作曲
- 北日本(きたにっぽん)の脊梁(せきりょう)の
千秋(せんしゅう)万古(ばんこ)ゆるぎなき
山の間(あいだ)にたたへたる
田沢の湖(うみ)の水(みず)落ちて
鰍(かじか)瀬川(せがわ)と流れたり - 高きに拠(よ)れば空遠し
仙北平野のはてもなく
翼ひろげし雛(ひな)鷲(わし)の
山脈(やまなみ)海(うみ)に極まりて
鳥海山とぞ聳(そび)えたる - この山河(やまかわ)を楽しめる
ひとつ心の健児(けんじ)等(ら)よ
思慕(しぼ)おのづから高くして
淵源(えんげん)ふかき弘道(こうどう)の
昔のあとを偲(しの)ばんか - 朔(さく)雪(せつ)しのぐ若杉の
校旗をともに護(まも)りつつ
新日本の御代(みよ)を負ふ
男児の意気はここにあり
競(きほ)ひて起(た)たむもろともに
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角高創設の第一の恩人である平福百穂は、一九二六(大正十五)年五月に迫った県立角館中学校(角高の前身)校舎落成式に向けて、尊敬するアララギ派の同志である赤彦・茂吉に校歌の作詞を依頼した。赤彦がじかに風土に接して詞の構想を練る必要上、前年(大正十四年)の晩秋に百穂は郷里に赤彦を招き、田沢湖と角館を案内した(茂吉は他用で来秋していない)。田沢湖の湖水の清澄さと映える紅葉の美しさに赤彦は驚嘆し、鳥海山の雄姿、角館の歴史的町並みに接し、作詞のためのメモを熱心に執った。
しかし、郷里の信州(長野)に戻って作詞に取りかかった矢先、赤彦は末期ガンに冒されていると宣告される。余命いくばくもないと悟った赤彦は、命あるうちに完成しなければと、病床に伏しながらも作詞を進める。やせこけて、全身に黄疸が拡がるという、激しい病苦のうちにも、詞のことだけは忘れなかったという。百穂が故郷でついに県立中学校創立にこぎつけた情熱に応えるためにも、赤彦は作詞を続け、「七分どおりできている。あとは、詞に少年らしい元気なところを加えたい」段階まで達する。責任感や歌人としての誇り、百穂への友情など様々な思いが彼を突き動かしたのだろうが、まさに命を削っての作詞であったに違いない。赤彦はついに力尽き、詞は未完成のまま、落成式二ヶ月前にこの世を去る。
赤彦から詞の増補とまとめ役を託された茂吉は、同志の中村憲吉、岡麓に添削・修整を任せるなど、アララギ派の総力を結集し、ついに詞を補完する。百穂は、すでに音楽界の重鎮となっていた本県東由利出身の小松耕輔に作曲を依頼し、校歌は落成式直前に誕生するのである。
校歌「駒草」
川島堰一郎 作詞
小松 耕輔 作曲
- 駒形山の峰(を) 青雲(あおぐも)しのぎ
瑠璃(るり)としかがよふ 駒草ゆかし
すがしきかたちを 範(のり)とぞ仰(あお)ぐ
さやけきまごころ 少女子(おとめご)われら - 田沢の湖 底ひもしれず
真砂(まさご)の白(しら)珠(たま) ますみの鏡
明るきすがたを 範とぞ守る
やさしきまごころ 少女子われら - しだれざくらの にほへる所
月の桂木 かをりは高し
天恵(みめぐみ)こよなき 学びの園生(そのお)
栄(はえ)あれ幸(さち)あれ 少女子われら↓再生ボタンを押すと校歌をお聞きいただけます(IEではお聞きいただけません)
賛歌・応援歌
角高賛歌
松本 健 作詞
小西 良悦 作曲
- 精冽稀なる鰍瀬に 深渕涯なき田沢湖に
高潔の気と深奥の 輝やく渕源辿る時
煌めく歴史の栄あり - 霊峰極まる鳥海に 乾坤羽ばたく雛鷲に
不覇奔放と高邁の 光を掲げて謳う時
躍進怒濤の息吹あり - 聳立天衝く若杉に 年輪かぞえし姥杉に
不撓不屈と大成の 理想の諭を仰ぐ時
生きゆく未来の命あり
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応援歌 一番
鈴木 範子 作詞
黒丸 昇司 作曲
- 駒草の雪をも凌ぎ 風に耐え
優しき中に 力あり
いざや制覇の 意気ここに
競いてたたん 時来る - 鰍瀬の流れとともに 撓みなく
鍛えし技に 力あり
たてよ我が友 たくましく
競いて示さん 時来る - 聳えたつ駒形山を仰ぐとき
乙女われらに 力あり
挙げよ 勝鬨高らかに
競いて征かん 時来る
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応援歌 三番
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